- 概要 -
神道とは、日本固有の民族宗教のことである。多神教で、天皇家は始祖神アマテラスオオミカミの子孫とされる。それに対して仏教とは、現ネパール出身の釈迦族の王子シッダールタ(=仏陀)が開祖で、東南アジアから東アジアにかけて広まった世界宗教である。
- 詳しい解説 -
神道とは、日本の土着の宗教で、自然崇拝と先祖崇拝に基づく無数の神々を祀る多神教である。聖典の類や形而上的な教義はなく、土地の神様=氏神と先祖を祀ることを尊ぶ民族宗教である。天皇家の祖先が日本という国を作ったという神話と強く結びついており、天皇を現人神(あらひとがみ)として神聖視する教義は、明治時代以降の帝国主義とあいまって「国家神道」が発展した。
一方仏教とは、現在のネパールに位置したシャカ国のシッダールタ王子が出家をして修業の末に悟りを開いたことに始まる教えである。シッダールタを悟った者という意味のサンスクリット語「ブッダ」と呼び、その音訳「仏陀」から、「仏陀の教え」つまり仏教という。初期の仏教教団では出家をして悟りを開く修行を行うことを目的としていたが、やがて民衆を救うことを目的とした大乗仏教へと発展した。発祥の地インドでは仏教は廃れてしまったが、カースト制度に対する反発から仏教に改宗する人々が増えている。インドからスリランカ〜東南アジアに伝わったのは初期仏教系の上座部仏教、インドから中国を経由し東アジアに伝わったのは大乗仏教で、世界三大宗教の一つである。