朝廷と天皇の違い

朝廷と天皇の違い

朝廷と天皇の違い

- 概要 -

朝廷とは、古代から江戸時代まで存在した国家の最高権力機関である。それに対して天皇とは、朝廷のトップであり、国家の最高権力者である。今日では象徴的な存在として政治権力を持たない。

- 詳しい解説 -

朝廷とは、天皇を中心とした大臣や役人を含む国家統治機関のことである。もっとも古くは「古事記」にもその言葉が記載されている。政治の実権を握っていた将軍(征夷大将軍)の役職すら、天皇の任命によるように、天皇の権威は保たれ続け、鎌倉時代以降も朝廷は存在し続けたし、幕府を含めた体制そのものが朝廷である。朝廷と幕府を対立した概念とするようになったのは江戸後期からである。

それに対して天皇とは、かつての朝廷の最高権力者、今日では日本の象徴的元首である。日本の神話に登場する神々の子孫とされ、また歴史上でも大和地方を支配した王朝の子孫である。古代から平安時代までは国家の最高権力者、鎌倉時代から江戸時代は将軍に政治権力を奪われたが、大政奉還により明治時代から再び最高権力者となり、現人神とされた。しかし昭和20年の太平洋戦争の敗戦で人間宣言をし、現在は日本国の象徴として儀礼的行事や外交行事をおもに行う。